2021年5月30日
第三者割当増資は、特定の第三者に対し新株割り当て権利、新株予約権を付与する資金調達方法。
会社と関係性のある特定の第三者に対して新株の割当を行い、増資を行うことを第三者割当増資と呼ぶ。
未上場企業、株式を公開していない場合に多く用いられる資金調達法で、M&Aの手法の一つ。
第三者の定義は、株主でなくても、自社の役員、取引先企業、取引先金融機関が縁故関係にある場合が多く、縁故者割当増資と呼ばれる。
実施の主たる目的は、企業再編や業務提携関係強化。
自己資本増加により組織体制強化に繋がり、新株を発行することで1株あたりの利益が低下し、既存株主の利益を損ねる恐れもあるので、株主総会での特別決議承認が必要となる。
第三者割当増資を行う上で問題点は、会社法によって定められている。
発行する新株を第三者に対し特に有利な価格で発行すると、株価の下落を招き既存の株主に不利益を与える。
既存株主保護の必要性から、第三者割当増資を検討している会社の取締役は、新株の予定価格とその理由を開示して、特別決議にて出席株主3分の2以上の承認を経る義務が課せられている。
第三者割当増資における株式の引き受け側のメリットは、取得株式の比率が3分の1以上で、経営意思決定に参加し、会社を立て直すように導くことができる。上手く行けば自社とのシナジー効果を得られる。
株式比率が33.4%以下の場合は、引き受け側としてのメリットはほとんどない。
第三者割当を引き受ける前に慎重な検討が必要とされる。
売り手側はデメリットはほとんどないので、新たな株主との協力関係強化や、財務状況改善、メリットが多い。
引受会社のメリットの全株式の3分の1以上を発行する場合は、経営面で自由な意思決定は出来なくなり様々な束縛を受ける。
第三者割当増資は、新株引受後の株式比率が、買い手、売り手双方にとって重要視される。
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